<日本ハム5-2オリックス>◇10日◇札幌ドーム

 4位日本ハムのダルビッシュ有投手(23)が4年ぶり2度目の毎回奪三振で5連勝を飾り、5年連続の2ケタ勝利へ王手をかけた。9回1死からオリックス後藤に2ランを喫して完封こそ逃したが、今季最多タイの13三振を奪って08年以来2年ぶりの無四球完投勝利を果たした。オリックス戦9連勝となった。チームは7カード連続勝ち越しで、貯金は今季最多4となり、首位から4位まで4ゲーム差の混戦状態になってきた。

 女房役まで、追い込んだ。ダルビッシュはお立ち台でも、おまけの剛球を投げ下ろした。矛先をオリックス打線から、懸命のリードを続けた5歳年上の鶴岡へとシフトチェンジした。完封目前の最終9回1死一塁で、打者後藤。サイン通りのスローカーブを右翼席へ運ばれた。「大丈夫かなぁと思いましたけど」と先輩を信じた1球で、今季2度目の完封勝利を逃した。「鶴岡さんのせいです」。幸せな掛け合いで締めるほど、会心の1勝だった。

 理屈抜きのすごみを見せた。「調子は悪くないとは思ったけど、そこまで良くなるとは思わなかった」。序盤から迷いなく飛ばした。最速150キロをマークした直球を軸に、球速の違うチェンジアップを自在に使い分けた。今季習得した140キロ前後の高速、通常の130キロ前後の2種。直球を際だたせる変化球の生命線になった。「今日は本当にすごかったね」。梨田監督が高みの見物を決める、スキのなさだった。

 天才たるがゆえの迷走から完全に抜けた。「ここ2、3年間で悪かったところが分かった」。自身最速155キロをマークした前回登板の3日楽天戦が、起点になった。今年のキャンプ期間中、理想的な1年に挙げたのが沢村賞を受賞した07年。旺盛な探求心で、その後は、さらに高みを目指して試行錯誤を続けた。筋力増にリリースのタイミングなどのフォームのわずかな修正、新球の習得…と、究極の投手像を追求してきた。

 圧倒的な力で、その間も突出した成績は残した。ダルビッシュだけ知る感覚が「前回から良かった」という3日の楽天戦で目覚め、この日で確信に変わった。カブレラを4打席連続三振。3三振は外角速球で、4回の第2打席は142キロ高速チェンジアップで仕留めた。「球が本当に走っていたんで、アバウトにいった」という自力だけで、13個もの三振が積み上がった。

 7カード連続勝ち越しの節目を演出し、順位こそ変わらないものの首位西武にも4ゲーム差とした。「エースじゃなく、ただの1人の投手なんで…。自分は1週間に1回しか投げないですから」。無四球による4年ぶり2度目の毎回奪三振ショーで、猛追に拍車をかけた。【高山通史】

 [2010年7月11日9時35分

 紙面から]ソーシャルブックマーク