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イチロー（左）は全体ランニングで先頭を走り笑顔を見せる

＜ＷＢＣ：宮崎合宿＞◇初日◇１６日◇サンマリンスタジアム

　日本代表候補チームと巨人が、２１日と２２日に強化のための試合を行うことになった。サムライジャパンの合宿初日を迎えた原監督は「第２クールの終盤に練習試合を行う予定です。対戦する“相手チームの監督”は、よく知っている人だし、対等に話せる人間だから」と最終的なメンバー選考として、自らが率いる巨人を実戦練習の相手に指名した。

　まさに一石二鳥。アイデアマンの原監督らしい名案だった。２５日が全日本メンバー２８人を選ぶ締め切り日だが、２３日から宮崎を離れて壮行試合が始まり、宮崎合宿最終日の２２日までにメンバーの最終選定をしなければならない。シート打撃など、実戦形式の練習ではあるが、やはり実際の試合とでは緊張感も違い、リアルな選考が可能になる。

　巨人の監督としても、自軍選手の動きをチェックできるメリットがある。さらに、巨人ではもともと紅白戦を予定していたが、登板する投手はグライシンガー、クルーン、バーンサイドらの外国人選手。「おれたちが戦うのは外国人選手だし、ちょうどいい。まだ全日本チームの調整いかんで中止することもあるけど、うまい具合になっているね」と互いのチーム事情もピッタリと一致していた。２試合で野手全員の動きをみることになる。

　地の利を生かし、自らの立場も生かした“戦略”に「“相手チームの監督”は、本当に全日本チームのことを考え、協力してくれる人だからね」とニヤリ。巨人選手にとっても、仕上がりも順調な日本最強チームと対戦できるメリットは計り知れない。日本の監督であり、巨人の監督でもある原監督。宮本武蔵ばりの“二刀流”を、使いこなしている。【小島信行】

　［2009年2月17日8時39分　紙面から］

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