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侍ジャパンメンバー

投手 牧田 和久

#35 Kazuhisa Makita
牧田 和久

(C)NPB/BBM2013

所属 西武
今季年俸 6700万円
投打 右右
生年月日 1984/11/10
出身地、経歴 静岡、静清工-平成国際大-日本通運
身長・体重 177センチ・83キロ
2012年成績 27試合、13勝9敗0S、防御率2.43
五輪、WBC出場歴 なし

「命がとられるわけじゃないですから」

牧田 和久

 大胆なのか、それとも繊細なのか。牧田和久投手(28=西武)が漂わせる独特のオーラは個性派がそろう「侍」の中でも、異彩を放つ。俗に言う「強心臓」。ただ、本人からすれば少し違う。「打たれたって、命がとられるわけじゃないですから」。周囲をキョトンとさせても、牧田は至って真剣な表情だった。

 注目を浴びたのは、11年5月6日の楽天戦だった。ベテラン山崎に対し、ノーワインドアップから、高速クイックで投球。タイミングを外し、空を切らせた。試合後、山崎から「立ち合いが成立してない」とクレーム。並のルーキーなら、縮み上がる場面にも、牧田は違った。

 牧田 球界を代表する打者。どうやったら抑えられるか、を考えた結果だった。(周囲から)怖かった? って聞かれますけど、それはなかった。打たれた時の方が怖いです。

 強心臓のルーツを語る上で、大きな挫折がある。日本通運時代の08年日本選手権の試合中に右足前十字靱帯(じんたい)を断裂。全治1年の大けがを負った。

 牧田 落ちるところまで落ちた。プロとか、先は考えずに会社に恩返しをしようと。採用して良かったと思われるように。

 自己分析では「マイペースで、変わり者」。日本通運のチームメートから「不思議ちゃん」のニックネームで慕われたことからも、明らかだろう。「何を考えてるか分からないって、言われることもありますね。自分でも常識外れなところがあるのかなと(笑い)」。もともと周囲に惑わされるタイプではなかったが、地獄を見た経験が、怖いもの知らずに拍車をかけた。

 迎える初の国際大会。一発勝負の舞台にも、ノープレッシャーにさえ見える。「社会人の時も毎回が一発勝負。レベルは違えど、迷惑をかけた分、僕の中では相当の覚悟で投げた」と言う。ユニホームを脱げば「人前でフリーで話す時とか、本当に緊張する」と照れる。意気込みを聞かれ、あのセリフを繰り返す姿はシーズン中と同じだった。「う~ん…。いつも通りやるだけ、ですね」。【久保賢吾】

 (2013年1月17日付日刊スポーツ紙面掲載)









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