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侍ジャパンメンバー

投手 森福 允彦

#21 Masahiko Morifuku
森福 允彦

(C)NPB/BBM2013

所属 ソフトバンク
今季年俸 1億2000万円
投打 左左
生年月日 1986/7/29
出身地、経歴 愛知、豊川-シダックス
身長・体重 171センチ・65キロ
2012年成績 65試合、2勝5敗17S、防御率1.39
五輪、WBC出場歴 なし

間合いヒント満塁斬り

森福 允彦

 見ている側の膝が震えるシーンが似合う。満塁なら森福允彦投手(26=ソフトバンク)に任せるといい。公式戦とポストシーズンを合わせて満塁では通算31打数3安打、被打率9分7厘に抑え、今は14人連続無安打だ。そう、崖っぷちに強い。「走者がいる場面でいける投手は少ない。自分の売りはコントロール」。自信は指先まで宿っている。

 打者に背中を見せて構える独特の左横手投げ。左打者には背中越しから球がくる感覚を与え、スライダーは遠く逃げる。昨年11月のキューバ戦では右打者が並んだ上位打線を1回無失点に封じ、右にも強い。サイズは171㌢、65キロ。この森福流のトルネードこそ崖っぷちの産物だった。

 社会人シダックスからプロ入りし、2年目まで鳴かず飛ばず。即戦力の看板がかすみ、焦り始めた08年秋季キャンプだ。「斉藤学コーチ(現リハビリ担当兼ファーム巡回コーチ)に動きには横軸と縦軸があり、僕は横軸だと。その方が合うと言われ、腕を下げてピタッとはまった」。サイドにして制球はグンと良くなった。社会人時代に野村克也監督から「ボール半個分以下の出し入れ」と叱られたことがやっと理解できた。

 秋山監督からもらった1枚のDVDにも救われた。「森福はスピードで抑える投手じゃない。球種やタイミング、リズムで抑えるタイプ。打者が打ちにくい間合いをつくったら?」。シダックスの先輩で日本ハム武田勝の投球映像からヒントを得た。長いと指摘される投球間隔をつくる。一塁方向へ右肩を入れる。相手打者が嫌がるのが分かった。生きる道が見つかった。

 11年の日本シリーズ第4戦で6回無死満塁のピンチをしのいだ「森福の11球」は語り草だ。「あの経験が自分の中では大きいですね」。昨年も西武とのCSファーストS初戦で9回無死満塁を9球で片付けるミラクルセーブをやってのけた。絶体絶命のピンチで勝負ができる球界を代表するセットアッパーとなった。

 趣味のダーツでも土壇場の制球、集中力は高い。年末には同僚岩崎と組んで九州の大会に出場し、WBCより先に優勝杯を手にした。しびれる場面なら日本のマウンドには森福が立っているはずだ。【押谷謙爾】

 (2013年1月27日付日刊スポーツ紙面掲載)









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