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侍ジャパンメンバー

内野手 坂本 勇人

#6 Hayato Sakamoto
坂本 勇人

(C)NPB/BBM2013

所属 巨人
今季年俸 1億8000万円
投打 右右
生年月日 1988/12/14
出身地、経歴 兵庫、光星学院
身長・体重 185センチ・80キロ
2012年成績 144試合、14本塁打、69打点、16盗塁、打率.311
五輪、WBC出場歴 なし

練習でつかむ説明できない“極意”

坂本 勇人

 「脇を締めて、肘をたたんで」という内角打ちの常識から、坂本勇人内野手(24=巨人)は逸脱している。坂本のインコース打ちを言葉で表現すると「脇を開いて、肘を逃がして」となり、セオリーとは180度、逆になる。

 内角が来たら、反射的に脇を開いて、左肘を体の軸から離す。懐にバットの軌道ができて、体の近くをなめるように回る。普通、肘が体から離れたら、パワーが逃げてしまう。でも坂本は違う。詰まらせるつもりの投手をあざ笑う長打が生まれる。

 出来ることなら、誰もがまねたい。「確かに、言ってもらえることが結構あって、うれしいんですけどね」と自覚もある。この芸当、どうやって手にしたのか。「どうして、って聞かれると…。答えられないんです。隠すわけじゃなくって、本当ですよ」と首をかしげ「プロに入ってから、出来るようになったことは間違いないんですよねぇ」とつぶやいた。

 ティー打撃の豊富さはマジシャンのようだ。「軸が突っ込んでしまうから」と、真後ろからボールを上げてもらう。「バックスピンをかけて飛ばしたい」と思えば、ボールの底辺一点を打つ練習を行い、ボールが真上に上がる。コーチの極細ノックバットを拝借して、真芯に当てる確認をする。「遊びです」と言うが、坂本の練習は奥が深い。

 感覚を養うための引き出しを、自分で考えて用意できる。内角打ちの極意も練習の中でつかんだ。坂本は笑う。「この練習をしたから、って決め手もない。あえて説明するなら『自分の感覚』になる。感覚を言葉にするって、本当に難しいんですよ」。確かに、もともと左利きだから、脇を開いてもパワーが落ちない。同じ「左利き右打ち」には、中日山崎、巨人村田がいる。インコースを苦にしない共通項はあるが、坂本の巧みさは1ランク上にある。

 WBCについて「子どもたちに喜んでもらえるよう、頑張りたいです」と言った。食い込んでくるツーシームは世界の投手にとってトレンドだが、坂本にとっては絶好球。独創性を発揮して、少年少女を笑顔にする。【宮下敬至】

 (2013年2月13日付日刊スポーツ紙面掲載)









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