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侍ジャパンメンバー

投手 内海 哲也

#26 Tetsuya Utsumi
内海 哲也

(C)NPB/BBM2013

所属 巨人
今季年俸 4億円
投打 左左
生年月日 1982/4/29
出身地、経歴 京都、敦賀気比-東京ガス
身長・体重 186センチ・90キロ
2012年成績 28試合、15勝6敗0S、防御率1.98
五輪、WBC出場歴 第2回WBC

立体的イメージで「打ち取るストーリー決める」

内海 哲也

 投手は、自分が投げたコースや球種を、詳細なチャートで振り返って反省する。無機質に書かれたカルテのような紙を見て、内海哲也投手(30=巨人)は「チャートはボールの到達点でしかない」と疑問を持った。

 打者との駆け引きは、平面だけでは説明できないと思った。「シュート回転もあれば、スライダーもある。僕ならチェンジアップもある。そこに至るまでの軌道がある。軌道はバッテリーと打者にしか分からない」との実感があった。ボールの終点から軌道を逆算してみると、本塁まで18・44メートルの立体的なイメージが湧いてきた。すると「配球が悪いから打たれた、と単純には言えないのでは?」と、次の疑問が浮かんだ。

 チャートには、初球から結果球まで、コース、球種の過程が順番に記されている。だが、その軌道までは分からない。「配球にセオリーはない。そもそも配球とは、無限に存在するもの」と結論づけた。

 逆算で考えると、いろんな発見があった。「例えばインコースで打ち取ると、最初に結末を決める。打ち取るためのストーリーというか、まずはこの球を使って…と、決まっていく。そうすれば、投げるべきボールの手順と軌道も決まる」と、配球を考える習慣がついた。投球フォームも同じだった。「調子悪い、と感じたら『まず、しっかり立つ』と言い聞かせる。そこをおろそかにすると、すべてがうまくいかない」と、軸の重要性に行き着いた。

 昨年暮れ、入団時からの恩師である小谷正勝氏(現ロッテ2軍投手コーチ)と久しぶりに再会した。「投げるコツをつかんだのは、いつだ」と聞かれた。「ここ2年です。でも、その理由がまだハッキリと分からないんです」と正直に言い、持論を説明した。

 小谷氏がうなずいた。「狙った『点』にボールを投げる。これでも相当な技術になる。究極は狙った点にボールを出し入れすること。今、お前はその域にある」とお墨付きをもらった。2年連続最多勝は、日本人らしく技術を突き詰めた証し。逆算の思考で2度目の舞台に臨む。【宮下敬至】

 (2013年1月19日付日刊スポーツ紙面掲載)









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