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侍ジャパンメンバー

投手 山口 鉄也

#47 Tetsuya Yamaguchi
山口 鉄也

(C)NPB/BBM2013

所属 巨人
今季年俸 2億4000万円
投打 左左
生年月日 1983/11/11
出身地、経歴 神奈川、横浜商-米ルーキーリーグ
身長・体重 184センチ・88キロ
2012年成績 72試合、3勝2敗5S、防御率0.84
五輪、WBC出場歴 第2回WBC

「できればシュートは明かさないでほしい」

山口 鉄也

 8年前の1月、ちょうど今ごろだった。育成入団の山口鉄也投手(29=巨人)は、キャッチボール相手を探していた。同期で最年長の内野手、脇谷亮太が引き受けてくれた。普通、投手と内野手はペアを組まない。1期生の育成選手とは、そんな扱いだった。隅っこで投げ始めると周囲の目はくぎ付けになった。脇谷はよく覚えている。

 脇谷 1球で「モノが違う」と分かった。プロの球はこんなに怖いのか、と。山口はね、昔からナチュラルでシュートする。手元で伸びながらグッと曲がる。

 俗に言う「汚いボール」で、山口も「僕の真っすぐはシュート回転します」と当時から自覚していた。直球との投げ分けも出来た。でも不思議なことに、シュートには焦点が当たらなかった。支配下登録を果たした直後の07年の春。持ち球を聞くと「真っすぐ、スライダー、チェンジアップでお願いします」と答えた。

 山口 できれば、シュートは明かさないでほしい。真っすぐがナチュラルにシュートする。“ウソ”にはなりませんよね。相手に「シュートは投げないのに、変だな」と思われている間は、そのギャップを突きたい。「シュートがある」って意識されたら、また、裏をかくように考えます。

 昨季達成した5年連続60試合登板は、シュートを覚えたおかげとみる向きがあるが、誤りである。試合で使う球種4つは、入団前から1つも増減がない。シュートが自分の生命線だと知り、存在をオブラートに包んで、磨いてきた。特に左バッターを打ち取る方法論として、今も昔もシュートこそが軸球。阪神鳥谷、中日大島。侍メンバーの好打者を、打率1割台の中盤に抑え込んでいる。

 若いカウントから自信を持って投げ、腰を引かせる。後はスライダー、チェンジアップのどちらを選択してもいい。WBCについては「疎い自分でも知ってるバッターが、たくさんいる。僕なんかが、って感じですが、どこまで通用するか、試してみたい気持ちもある」と言う。男は黙って、の武士道を地でいく。涼しい顔で世界の猛者をえぐる。【宮下敬至】

 (2013年1月15日付日刊スポーツ紙面掲載)









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