「相棒」シリーズ第4回は新日本プロレス内藤哲也(37)が登場です。国内外の巡業やプライベートの旅などどこでも行動とともにするミニチュア人形「内藤くん」について、また彼を撮ることで生まれた風景愛と写真へのこだわりについて語ってもらいました。【取材・構成=高場泉穂】

人形「内藤くん」と同じポーズをする内藤哲也(撮影・大野祥一)
人形「内藤くん」と同じポーズをする内藤哲也(撮影・大野祥一)

-(人形の)呼び名は

僕は「内藤くん」かな。

-いつからの付き合い

うーん、この2、3年かな。もともと自分の写ってる写真あんまり好きじゃないんですよ。特に自分で自分を撮るのが嫌で。15年の5月にロス・インゴ(・ベルナブレス・デ・ハポン)に入ってからはツイッターでは自分の姿は一切出さず、キャップだけ置いて風景の写真を撮るというのをずっとやっていました。そのうち、これ(内藤くん)を知ってこれでやろうかな、と。

-どこでも登場しますね

彼は身長が低いので持ち運びが簡単。日本中もそうですし、海外に行くときも常に一緒に連れていってますね。いま働いているのは2人。1人はクラッチバッグ、1人はスーツケースに入れてます。

-ロケーション選びや構図が上手。その土地が分かるように撮ってますよね

最近気付いたんですけど風景の写真撮るの好きだなと思って。写真家の人ってこんな感じかなと。もし僕がプロレスラーではなく、一ファンだったら、完全に客席でカメラ構えて、レスラーを撮ってると思います。それぐらい今はちょっと写真に興味がある。昔はメインは自分で風景がサブだったんですけど、今はメインが風景で、内藤くんがサブ。構図とか考えるのが毎回すごい楽しくて。

内藤の相棒「内藤くん」
内藤の相棒「内藤くん」

-撮影の合間に恥ずかしい思いをしたことは

今のところないですね。ぱっと決めたらさっと動いて、すぐ撤収しちゃうので。毎回時間をかけない。後で見たらピントが合ってなくて後悔することはあります。

-オフになぜたくさん旅に出るのか

おもしろい回答ではないけど、いろんな景色を見てみたいし、いろんなところに住んでいるいろんな人と触れあいたいんだよね。だからお誘いがあったり、カープの試合を見られると思ったら飛んでいく。僕ら試合がなければオフで時間はあるっちゃあるので、使わない手はないなと。

-旅先ですることは

なんだろな。ぼーっとしてます。彼を連れて、その土地が分かる場所を探してるかな。あとはのんびり。ぜいたくしてます。

-今、行きたいところは

北海道の右側に行きたいんです。釧路とか。自然の中の水が好きなんで、流氷に内藤くんを乗せてみたいですね。基本暑がりなんで、寒いところのほうが好きなんですよ。プロレスラーなのに汗かくのは嫌い。例外は毎年行ってるサイパンぐらいで。37歳ですけど、東京生まれだからか、いまだに雪でテンションが上がっちゃうんですよ。積雪というものに興奮しますよね。もっと(日本の)上に行きたいですね。

◆内藤哲也(ないとう・てつや)1982年(昭57)6月22日、東京都足立区生まれ。06年5月デビュー。13年8月G1クライマックスで初優勝。メキシコ遠征から戻った15年に「ロスインゴベルナブレス・デ・ハポン」を結成し大ブレーク。16年4月にIWGPヘビー級王座初戴冠。現IWGPインターコンチネンタル王者。180センチ、102キロ。得意技はデスティーノ。