初勝利は確実に近づいている。プロレスリング・ヒートアップの今井礼夢(16)が。11日の新百合ケ丘大会で6人タッグマッチに出場し、敗れはしたが、成長した姿を見せた。数キロながら体重も増え68キロになり、風格も出てきた。「体力が付いている実感はある」という。

試合では、開始早々、初の場外戦で相手を殴り付けた。さらに、師匠のTAMURAから学んだ駆け上がり式ブルドッキングヘッドロックを決めるなど見せ場を作った。これまでは技をかけた後に間があったが、連続技を決めるなどスピーディーな展開で相手を追い込んだ。それでも劣勢の時間はまだ多く、最後は変形コブラツイストでギブアップ。課題はまだ山積みだ。「技の技術を上げていきたいし、経験が足らない」と自覚する。何度も対戦している新井健一郎は「自信がないように見える。やりたいことをリング上で見せていかないと」と、あえて厳しい評価を口にした。

それでも定期的に行われている道場マッチで力を付けている。実力者たちとシングルマッチを戦い「技の種類やスピードが増した」と手応えを感じた。昨年末のデビューから半年がたち、練習生のころのような不安な表情は一切ない。元SPEEDで参院議員の母・絵里子氏からは独り立ちし、今では母のことを聞かれても「(会場に)来ているのか分からない。たぶん応援してくれているんじゃないですか」などと、気にする様子もないほど、プロレスに集中している。

9月17日には川崎・とどろきアリーナでの興行が行われる。礼夢のデビュー戦の反響を感じ、代表も務めるTAMURAが会場を押さえた。有観客の公式戦は7試合を戦って未勝利。「自分的にはまだまだだと思う。もっと自信を付けて、とどろきで初勝利を挙げたい」。9月、自分の力で3カウントを奪い、大観衆の前で初の勝ち名乗りを受ける。【松熊洋介】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

11日、ヒートアップ新百合ケ丘大会の6人タッグマッチで敗れた今井礼夢(左)。右は大和ヒロシ
11日、ヒートアップ新百合ケ丘大会の6人タッグマッチで敗れた今井礼夢(左)。右は大和ヒロシ
11日、ヒートアップ新百合ケ丘大会の6人タッグマッチで大和ヒロシの首をつかむ今井礼夢(左)
11日、ヒートアップ新百合ケ丘大会の6人タッグマッチで大和ヒロシの首をつかむ今井礼夢(左)