WBOスーパーフライ級王座決定戦発表会見でファイティングポーズする中谷潤人(2023年3月25日撮影)
WBOスーパーフライ級王座決定戦発表会見でファイティングポーズする中谷潤人(2023年3月25日撮影)

プロボクシングのスーパーフライ級世界戦線が一気にヒートアップしそうだ。まずは元WBO世界フライ級王者中谷潤人(25=M・T)、元世界3階級制覇王者の田中恒成(27=畑中)の2人が登場。現WBO世界スーパーフライ級1位の中谷は20日(日本時間21日)、米ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで同級2位のアンドルー・モロニー(32=オーストラリア)と同級王座決定戦に臨む。

既に3月下旬から渡米している中谷は米ロサンゼルスで最終調整し、そのままラスベガス入り。同興行のメインイベントは現4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)-元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)戦が組まれている。中谷は世界注目のイベントで、日本ジム所属17人目の世界2階級制覇に挑む。

田中恒成(2021年11月4日撮影)
田中恒成(2021年11月4日撮影)

同じ21日には、田中が名古屋・パロマ瑞穂アリーナでWBC世界同級13位パブロ・カリージョ(34=コロンビア)との“世界前哨戦”を控える。現在、スーパーフライ級ではIBFとWBOで3位、WBA、WBCで4位にランク。この世界ランカー対決を制することができれば、WBOでは中谷-モロニー戦の勝者に続く、1~2位のランキングに入るだろう。中谷-田中戦という日本人対決の世界戦の可能性も出てくる。

井岡一翔(2023年4月24日撮影)
井岡一翔(2023年4月24日撮影)

6月24日には元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)がWBA世界同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)に挑戦する。昨年大みそかに続くダイレクトリマッチ。この決着戦の勝利で弾みをつけ、ターゲットに絞るWBC世界同級王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ)との王座統一戦につなげたい意向。井岡-フランコの勝者に対し、田中が挑戦する可能性もある。20年大みそかに井岡との日本人対決で敗れている“因縁”が思い出される。

また中谷は世界2階級制覇後のプランとして「統一戦はやりたいという気持ちはある」と、他団体王者との統一戦を希望している。21日に迫る中谷-モロニー戦、田中-カリージョ戦、6月24日の井岡-フランコ戦の結果次第で、また新たな展開も出てくるはずだ。日本勢の実力者たちがそろった2023年のスーパーフライ級が、注目の階級になっていることは間違いない。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)