7月25日、東京・有明アリーナにはプロボクシングのスーパーバンタム級の世界ベルト4本を持つ王者が集まりそうだ。メインイベントで開催されるWBC、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、統一王者スティーブン・フルトン(29=米国)-同級1位井上尚弥(30=大橋)戦には、WBA、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)が来場する予定だ。
タパレスの日本遠征には、マネジメントするサンマン・ボクシングのジム・クロード・マナンキル・マネジャー、MPプロモーションのショーン・ギボンズ氏が同行する。4月に米サンアントニオで、当時の統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)に判定勝利。新王者になったタパレスは「井上はパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強ボクサー)1位になった選手で、私を含めて誰もが彼と戦いたいと思っている。私は今、王者になったので彼と戦う切符を手に入れたと思う」と発言。早くもフルトン-井上の勝者との王座統一戦を熱望した。
既にWBAからは4団体統一戦の承認を得ているタパレス。フルトン-井上戦の勝者のスタイルをリングサイドから視察することで次戦に向けたイメージを膨らませることになる。2団体統一王者になった後、フィリピンに戻り、2歳の娘、夫人との家族タイムを楽しんだという。21年7月に練習拠点を米国に移してからは家族と離れ離れで暮らし、トレーニングに集中してきた。今回の来日は心身ともに充実した状況でやってくるだろう。
フルトン-井上戦の予想についてタパレス本人は「五分五分の戦いになる」と分析している。ただしギボンズ氏は「経済的に言えば、井上が多くのものをもたらしてくれる。マーロンはフルトンよりも井上のファンだと思う」とプロモーター目線で解説。井上に勝ってほしいとの願望が見え隠れする。
一方、約1カ月前に陣営を通じてタパレスの視察を伝え聞いた井上は「当然かなと思う。気になるだろうし、対戦したい気持ちなのだろうと思う。そういう流れになればいいじゃないですか」と期待感を口にした。フルトン戦が迫った15日の公開練習でタパレス来日を問われると「まずは25日の一戦だけを考えていきたい」と集中モードに入った。 試合後、井上も、そしてフルトンも勝てば次戦について、何かを語るだろう。スーパーバンタム級のすべての世界ベルトを持つ王者たちが集結する会場なのだから、何かが起こるに違いない。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)


