元日本バンタム級王者でIBF世界同級14位の大森将平(23=ウォズ)が、元東洋太平洋フライ級王者ロッキー・フェンテス(30=フィリピン)に3回2分30秒でKO勝ちした。この日は本来、IBF同級王者リー・ハスキンス(33=英国)と地元京都で初の世界戦を行う予定だったが、王者の負傷により消滅していた。その悔しさを晴らした。

 静かな立ち上がりから一変、フィナーレは突然訪れた。3回。大森の右ストレートがクリーンヒット、返しの左は空振りしたが、右アッパーでフェンテスの顔面を完璧に打ち抜いた。

 「KOできて、ホッとしてます。世界戦が流れた時はテンションが下がったけど、気持ちをしっかり切り替えてきました。いろんなプレッシャーがあって楽な1年ではなかったですが、そこは素直に自分をほめたいと思います」

 京都で生まれ、ボクシングの強豪・南京都高を出て、京都のジムから初の世界王者になるのが夢だ。「まだ世界戦は早いかもしれませんが、僕はカードが組まれたら、いつでも世界を取れる自信があります」。

 マイクパフォーマンスの最後に「長谷川穂積さん、2週間遅れましたが、12月16日の誕生日おめでとうございます」と王者のまま引退した、同じサウスポーの大先輩にメッセージを送った。「魔の左」と呼ばれるサウスポーが、次の“左の絶対王者”の座を目指していく。