12年ロンドン五輪金メダリストでWBA世界ミドル級1位村田諒太(31=帝拳)が王者アッサン・エンダム(33=フランス)を7回終了時の棄権によるTKOで下した。

 勝利の鍵の1つは確信にあった。「ガードできる」。第1戦の経験値から、エンダムのパンチに脅威を感じなかった。左ボディーを打った後にも、即座に顔付近にグローブを移動させれば、決定打は許さない。だからこそ、リスクをかけて攻勢に出られた。

 村田のブロックの考えは独特だ。パンチはリラックスして打つことが理想とされるが「(ブロックは)力みも必要だと思う。力みすぎない力感が重要」。ミドル級の一流の強打を受けても、腕がはじき飛ばされないのは、力の入れ方による。関節を含め体は硬い方だが、中村トレーナーは「逆にその硬さがブロックにも生きている」と分析する。

 その身体特徴を反応速度が支える。「全体的にぼやっと見ていますね。昔から。微妙な動きでジャブではなく、フェイントのフックだなとか。センスだと思います」。相手のパンチを予測するのが圧倒的に速いことは検査でも証明された。この堅固さはこれからも生命線となる。