日本ボクシング界史上最大級のビッグマッチは、接戦の末に王座陥落の結末となった。

 4度目の防衛戦に臨んだ王者ホルヘ・リナレス(32=帝拳)が、五輪2連覇で現役最強の呼び声高いワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)に10回2分8秒TKO負けした。

 6回には右カウンターで顔面を打ち抜いてダウンを奪ったが、10回に連打からボディーブローを浴びてダウンを喫して敗れた。ロマチェンコは12戦目で史上最速の3階級制覇を達成した。

 中継した米スポーツ専門局ESPNのパウンド・フォー・パウンド(全階級通じての最強選手)で1位に君臨する挑戦者に対し、ベネズエラ生まれ、日本育ちの3階級制覇王者がどう立ちはだかるのかが注目された。

 序盤からリナレスは出色のハンドスピードでロマチェンコと互角にやり合い、相手得意のステップ、多彩な角度からのパンチと交錯させていく。一進一退。6回にダウンを奪ってからはロマチェンコの警戒も強まり、勝機ものぞいたかに見えたが、10回にアッパーを絡めての上下の連打を受けてマットに沈んだ。9回までのジャッジは三者三様。最強挑戦者に対して、熱戦を繰り広げた。

 17歳で単身ベネズエラから来日して15年。「ゴールデンボーイ」の愛称ままに無敗でWBC世界フェザー級暫定王座決定戦に勝って世界王者になったのは07年7月、まだ21歳の時だった。

 翌年にはWBA世界スーパーフェザー級王座を獲得して2階級制覇を遂げたが、2度目の防衛戦でサルガドにまさかの1回TKO負け。以降、打たれもろさが弱点として指摘されるようになった。そこから名実ともに再起。14年に3階級制覇後には敵地でのタフファイトの連続で評価を高め、メガファイトにたどり着いた。

 キャリア最大の戦いは僅差での敗戦に終わったが、負けてなお強しの印象を深く刻んだ。