ボクシングWBO世界フライ級王者木村翔(29=青木)を中国マネーが後押しする。24日の名古屋でのV3戦に向け、19日に都内のジムで練習を公開。有吉将之会長が中国企業2社と契約したと明かした。世界三大蒸留酒の1つ「貴州茅台酒(きしゅうまおたいしゅ)」と北京ダックの老舗チェーン「全聚徳(ぜんしゅとく)」。中国が世界に誇る企業で、日本で販売戦略拡大の一環として契約が実現した。

木村は昨年に五輪連続金の鄒市明から王座奪取し、中国で人気者になった。前回も中国でV2を果たして人気は増すばかり。「一緒に練習したい」と現在もジム会員の中国人も20人近い。日本駐在ビジネスマンも多く、今回はその紹介で中国企業との異例のスポンサー契約がまとまった。

今や世界最大のアルコール飲料メーカーの貴州茅台酒は、中国の国酒として政治外交の宴席の乾杯で用いられる。全聚徳の北京本店には世界各国の首脳も訪れ、日本などに海外進出している。今回は2社の名をトランクスのベルトと前面やガウンの背中に入れる。

セコンドにも強力な援軍が加わる。元協栄ジムで数多くの世界王者を育てた大竹トレーナー。木村が6回戦時代から目にかけ、世界挑戦前からアドバイスしてきた。田中の3階級制覇阻止へ、リング内外から強力サポートを受ける木村。「すべて万全でありがたい。今一番脂が乗っていてワクワクする。KO決着したい」と、世界戦4連続KOを狙う。【河合香】