ボクシングIBF世界フライ級4位黒田雅之(32=川崎新田)が、新元号第1号の世界王者を狙う。6年ぶり2度目の世界挑戦が18日に都内で発表された。5月13日に東京・後楽園ホールで、同級王者モルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)のV2戦に挑む。

当初の予定から2カ月延び、改元となる5月の開催となった。3階級制覇王者井上尚の世界戦より5日早い。黒田は「昭和生まれで平成を経て、新元号初の日本人世界王者になる」と意気込む。中学までは剣道部で2段。初めてスパーリングした元世界王者川嶋氏から愛称「ラストサムライ」を譲り受けた。「技術で負けても気持ちで負けないファイトを」とのエールも送られた。

井上尚のプロテストで相手を務めた。アマ時代からのスパー量は150回を超す。田口、比嘉、拳四朗、木村らも世界王者と追い抜かれた。黒田は世界初挑戦失敗後も日本王座挑戦に2度失敗している。「どん底を見て、引退も考えた。6年かけて戻ってきた。井上君を想定すれば怖いものはない。練習も迷いなく楽しい」。高1からボクシングとバイト生活で、17年目の悲願を期した。【河合香】