プロボクシング東洋太平洋ライト級チャンピオンでIBF世界同級3位の中谷正義(30=井岡)が、7月19日(日本時間20日)に米メリーランド州の「MGMナショナルハーバー」で、同級4位のテオフィモ・ロペス(21=アメリカ)と、世界王座の挑戦者決定戦を行うと発表した。

所属の井岡ジムが9日、発表し、中谷は、大阪市内の同ジムで会見した。

現在、東洋太平洋タイトルを11度連続で防衛中の中谷は「やっとという感じ」。感慨深げにつぶやいた。

同タイトルを奪取してから5年が経過し、やっと世界戦線のチャンスがめぐってきた。この期間が長かったかとの質問に「やることをやっていたら早かった。でも、ついに来たという感じ。うれしい」と、本音ものぞかせた。

層が厚い中重量級では、世界戦実現のハードルが高い。挑戦者決定戦の話も流れに流れてやっと決まったという。「ずっと(世界を)意識してやっていました」と語り、一方では「でも意識しすぎないようにしていました。期待しすぎると、かなわなかったときにモチベーションが下るので」と謙虚さを失わず、防衛を重ねてきた。

ロペスは13戦1全勝(11KO)で、勢いがある右ボクサーファイター。KO率も高いが、中谷はあくまで「通過点」と言い切る。ロペスを倒してやっと、世界への挑戦権をつかむ。「自分の11度の経験が物をいう。一方的な試合になるのでは」と自信を見せた。

その自信を裏付けるものは、昨年12月に行われたハリケーン風太(31=カシミ)との一戦だ。速いテンポの試合をした経験が生きると語り、「世界戦もあるのでけがなく、無傷で勝ちたい。心配なのは食事だけ」と語った。井岡一法会長も、「ここまで来たら世界しかない」と意気込んだ。

IBFでは1位と2位が空位のため、実質的な1位と2位の決定戦になる。長い試練を乗り越えてきたボクサーが、巡ってきたチャンスを物にし、世界にアピールできるのか進化が問われる。【南谷竜則】