初の大会が開幕して1回戦3試合が行われ、初回TKOの中嶋一輝(26=大橋)らがベスト4に進出した。

11月9日の準決勝(8回戦)は中嶋-南出仁(24=セレス)、山下賢哉(22=JB)-シード堤聖也(23=ワタナベ)と決まった。

中嶋は最初の左ストレートから切れよく圧倒し、渡辺健一(32=ドリーム)をぐらつかせた。右フックからの連打でダウンを奪うとレフェリーが即座に止め、1回2分2秒TKO勝ちした。「初回から狙ったわけではないが、のびのびできた」と満面の笑み。芦屋大で国体優勝し、プロでは7連勝(6KO)となった。

南出は出場選手最上位の日本8位荒木哲(24=斉藤)と激戦の末に勝利した。初回から積極的に攻めたが3回に右目上をカットして反撃を浴びた。最終回はダウンを奪うもバッティングでスリップと判断されたが、3-0で判定勝ちした。「初のメインで気持ちもよかった。倒せずに反省だらけ」と話した。

南出も駒大で全日本準優勝し、プロ4連勝(3KO)となった。中嶋とは高校で2回、大学で1回と3回対戦。中嶋はアマで2勝1敗に「絶対優勝するので負けるわけにいかない」と言えば、南出陣営の小林会長は「プロではオレが勝たせる」と宣言した。

山下は左カウンターで相川学己(25=三迫)からダウンを奪い、10カウントで2回2分10秒KO勝ちを収めた。全日本新人王で元日本ユース王者の実績を見せつけた。「自分はパンチある。向こうはびびっていた」と自画自賛した。

準決勝で対戦する堤もリングに上がり、こちらは平成国際大出身でアマ経験は豊富。一緒に練習したこともある仲だが、堤は「酒場のケンカみたい。力でも技術でも上を証明してみせる」。挑発を受けた山下は「酒場のケンカもしたいことないのに。絶対倒してやる」と応酬した。

大会は近年マッチメークが難しく、特にアマ経験ある選手は敬遠されることから、元世界王者山中慎介の名を冠して開催された。山中氏は「めちゃ面白くて、期待以上。優勝の予想がつかない激戦で次も楽しみ。ボクもうれしい」と喜んでいた。

試合前には7選手がリングに上がり、山中氏が開会宣言した。両選手が観客席の最上段から入場するなどショーアップも図られた。決勝は来年1月中旬の予定。優勝者には賞金100万円、スポンサーの東京上野クリニックから副賞に、山中氏からGOD’S LEFT賞の高級腕時計が贈られる。