ボクシングWBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(23=大橋)が27日、横浜市内の所属ジムで11月7日のWBC正規王者ナルディーヌ・ウーバーリ(33=フランス)との王座統一戦に向けた練習を公開。米国のアマトップ選手との刺激的なスパーリングを披露した。

兄尚弥(26)とのダブル世界戦に向け、約1カ月間スパーリングパートナーとして来日しているのがフィリピン系米国人ジャフェスリー・ラミド(19)。3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)の練習パートナーであり、左右来年の東京五輪出場を目指す逸材だ。しかもスイッチできる器用さを持ち、尚弥には右、拓真には左で相手を務めている。

拓真がラミドとスパーリングをするのは、この日で4度目。3回のスパーリングと、2回のマスボクシング(軽めの打ち合い)でいずれも緊張感のある力強い打ち合いを展開した。「相手がうまいので、いつもより集中してやっている」と拓真。19歳ながら経験豊富なラミドも「(拓真は)攻撃的。パンチをシャープにしていけば勝てる」と力を認めた。

ラミドとの密度の高いスパーのおかげで、サウスポーへの対応力も上がってきた。拓真は「距離感、当て方、入り方、レベルアップできている」と自信を口にした。