18年4月に体重超過により王座を剥奪された元WBC世界フライ級王者比嘉大吾(24=白井・具志堅)が13日、東京・後楽園ホールで約1年10カ月ぶりの再起戦に臨み、6回2分25秒TKO勝ちした。約53・9キロ契約のノンタイトル8回戦でブエナオブラ(フィリピン)と対戦。開始から圧力をかけると、6回にボディーの連打で2度のダウンを奪い、試合を決めた。

17年5月に無敗で世界王座を奪取し、V2戦でデビュー15連続KO勝ちの日本記録を樹立。V3戦での失態で一度は引退も考えたが、昨年10月にライセンス無期限停止の処分が解除となり、リングに戻ってきた。

満員の会場で復帰戦を飾ったものの、被弾する場面もあり、笑顔はなし。「とりあえず勝てて良かったが、力不足。ボクシングはそんなに甘くない」と反省が口をついた。今後については「2年休んでまたかと思われるかもしれないが、自分に期待していない自分もいる。夢を追って東京に出て来た当時の闘争心が今の自分にはない。それがない限り、チャンピオンになるのは無理」と複雑な胸中を吐露した。具志堅会長は「精神的な部分を立て直さないといけない。時間はかかる」とした。【奥山将志】