長期休養中の初代タイガーマスクの佐山サトル(63)が、リングに上がる意欲を見せた。21日、都内で、自身が主宰するストロングスタイルプロレスの会見に出席。4月23日にデビュー40周年を迎える。その記念興行が前日22日に行われることが決定した。晴れ舞台に向け「リングに上がりたいと思っている」と力強く語った。40年前から苦楽をともにしてきた新間寿会長も「必ずやまた戻ってきてくれるだろうと思っていた」と胸の内を明かした。

佐山は15年5月に心臓の手術を受け、いったん復帰したものの、16年に体調が悪化し、同年末の試合を最後に長期休養していた。昨春から軽い運動を始め、先月17日の興行では、立ち上がって歩く元気な姿を見せた。この日も会場入り口からつえもつかずに軽やかに歩いて登壇し、周囲を驚かせた。「体調は非常によくなってきている」と順調な回復ぶりをアピールした。

ユーモアなマイクパフォーマンスは相変わらず絶好調だ。新型コロナウイルスの影響で28日の大会が3月3日に延期となったが「1つ懸念なことがあるのが、藤原敏男の誕生日なので荒れる可能性がある」と会場を笑いに包んだ。

以前から力を入れていたチャリティー活動も始める。第1弾として、大阪の子ども食堂に海産物などの物資を提供する活動も決定。「いろいろな活動にまい進していきたい」と誓った。新間会長も「リング上以外のところにもタイガーが出ていくべきではないかと。後援会を通じて多くの人の応援ができたら」と語った。会見終盤には佐山の精神を継承し、米WWEに挑戦するSareeeが登場。昨年11月に自らの伝承特別マスクを贈呈しており「プレッシャーに負けないように大スターになってもらいたい」とエールを送った。

「プロレスを変えてみせる」と語る佐山。4月22日、これまで見せてきた40年間のストロングスタイルを4年半ぶりのリング上で披露することを目指していく。【松熊洋介】