県高校ボクシング界の強豪・開志学園の3人の3年生が大学に進学してボクシングを続ける。女子ピン級の高木まりあは新潟医療福祉大、男子バンタム級の小林勇太は日大、同ミドル級の天井沢一志は拓大にそれぞれ今春入学。新型コロナウイルス感染拡大の影響で高校ボクシングは昨年、全国大会が行われなかった。不完全燃焼の思いをバネに大学で開花する。

開志学園を旅立つ3人の大学での目標は全国での活躍だ。

新潟医療福祉大に進む高木は同大にボクシング部がないため、継続して開志学園で練習する。「これからは後輩にもアドバイスしたい」と視野を広げながら実力アップに励む。18、19年の全日本女子、19年の全国選抜と高校で経験した3度の全国大会はいずれも初戦敗退。「まず1勝」と高校時代以上に貪欲になる。

小林の日大、天井沢の拓大は関東大学リーグの名門。兄2人が日大ボクシング部に在籍する小林は「レベルの高さは聞いている」。自身は高校で全国出場がかなわなかった。「リーグ戦のレギュラー、そして全日本選手権に出たい」と高校での悔しさをぶつける。

天井沢には「将来はオリンピック(五輪)を目指す」という大目標がある。尊敬するボクサーは同校OBで17年高校全国3冠の近藤陸(21=自衛隊体育学校)。自身は19年全国選抜2回戦進出が全国での最高成績。同じミドル級の近藤を「動画などを見て研究している」。そして超えていくことを目指す。

新型コロナウイルスの影響で、ボクシングは昨年の全国選抜、全国高校総体、国体の全国大会がすべて中止。県の独自大会も開催できず、3人の公式戦は昨年2月の全国選抜北信越予選で終了した。それでもモチベーションを下げずに練習を継続。仁多見史隆監督(46)は「素晴らしい精神力」とたたえる。昨年、3人の目標はそろっての全国勝利だった。切磋琢磨(せっさたくま)する関係は今後も変わりない。【斎藤慎一郎】

◆天井沢一志(あまいざわ・かずし)2002年(平14)9月9日生まれ、新潟市出身。早通小4年から空手、早通中ではキックボクシングを行い、開志学園でボクシングを始める。19年は全国選抜、全国総体、国体に出場。182センチ、77キロ。

◆高木(たかぎ)まりあ 2002年(平14)11月8日生まれ、村上市出身。岩船小2年からボクシングを始める。岩船中では陸上部に所属しながらボクシングを継続。中学1年の時に全日本アンダージュニア王座決定戦に出場。147センチ、46キロ。

◆小林勇太(こばやし・ゆうた)2003年(平15)2月14日生まれ、新潟市出身。3歳から空手に取り組み、葛塚中3年からボクシングを始める。昨年1月の全国選抜県予選バンタム級で優勝。173センチ、60キロ。