GHCナショナル王者の藤田和之(50)が、顔面蹴り3発で杉浦貴(50)をKOした。

4月29日の前哨戦となった今試合。藤田はカシンと組み、杉浦、桜庭組と対戦。投げ技も組むことも1度もなく、エルボー、張り手の殴り合いを制し、杉浦をリングに沈めた。敗れた杉浦は自力で動くことができず、仲間に抱えられて退場。29日の本番に向け、不安を露呈した。

ともに2番手で出場した両者は、先発のカシンと桜庭がやり合っている間も、試合も見ることなく、両コーナーからにらみ合った。2人の試合が場外戦に持ち込まれると、今度はリングに入って再びにらみ合い。その後、お互いに試合権利を得ると、雄たけびを上げながら強烈なエルボー合戦を始め、その激しさに観客も引き込まれていった。最後はうずくまる杉浦の顔面に豪快にサッカーボールキックを3度蹴り込んだ。

普段は同じ杉浦軍として一緒にタッグを組むことが多いが、杉浦が「たとえ仲間であっても強いやつとやりたい」と挑戦を持ち掛け、対戦が実現。藤田は「どんな相手ともやる」と受けて立った。総合格闘家としての経験もあり、さまざまな団体を渡り歩いてきた藤田。杉浦軍のリーダーであろうが、リングに上がれば関係ない。この日は約5分だけだったが、長いときには30分以上も視線をそらさずににらみ付けることもある。試合後は「次は名古屋。以上」と一言でバックステージを去った。男・藤田はリングの上だけで結果を見せる。