顔面で相手の膝を打ち砕いた。29日名古屋大会でGHCナショナル王者・藤田和之(50)に挑戦する杉浦貴(50)が、仁王に勝利し、タイトルマッチに向けて弾みを付けた。

序盤からペースを握られていたが、途中で杉浦の顔面に膝蹴りを浴びせた仁王がなぜか左膝を抱えてもん絶。そのまま杉浦が逆片エビ固めでギブアップさせた。「俺の顔に膝蹴り入れて動けなくなったんだろ?」とあっけない勝利に苦笑いだった。

22日の調印式では、対戦する同い年の藤田と“生ビール対決”。テーブルに次々とジョッキが運ばれ、イッキ飲み。その後も「店が(コロナ禍で)早く閉まるから」と2人で居酒屋に消えていった。“第2ラウンド”は「レフェリーがいないので引き分け。コロナなのでほとんど話をしていない。黙飲、黙食。それにしてもあの人はよく食べるし、よく飲むな」。レスリング選手時代からお互いにしのぎを削ってきた、気心知れた相手と酒だけで士気を高め合った。

29日の本番に向けて調整は順調。「体調は万全。変な小細工はしないし、みんなそれを求めている」と真っ向勝負で挑む。25日から4都府県に緊急事態宣言が発令されたが、名古屋大会は開催される予定。「やることは一緒。納得する試合をするだけ。膝蹴りを食らっても相手が苦しむぐらいなので大丈夫だよ。顔面凶器だから」。鋼の肉体を持つ藤田に、鋼の顔面から飛び込んでいく。