約6年ぶりに復活した、IJ(インターナショナルジュニア)タッグ王者を決める「1DAYトーナメント」が行われ、新井健一郎(48)、翔太(32)組が第19代王者に輝いた。

1日で2試合を戦い、4組による争いを制した。1回戦でヤス久保田、ヒデ久保田組を破ると、決勝では矢野、TORU組と対戦。終盤、新井が相手のチョークで、意識もうろうになりながらも、一瞬の隙を突いて逆転。最後は、翔太が場外の矢野にプランチャーを決める間に、新井がジャンピング・パイルドライバーでTORUから3カウントを奪った。あこがれの天龍源一郎の前でタイトルを手にした翔太は「天龍さんが見ている前で王者になった。歴史あるベルトが今手元にある」と興奮気味に語った。

2人のタッグ名は「ハッとしてGood」。90年4月に行われた「日米レスリングサミット」での天龍対サベージ戦での実況の一言から取った。その名の通り、この日も予想できないような驚きの技を連発。お互いに次の技がかけやすいようにアシストするなど、連係の良さも披露した。翔太は「1つやると10くらいで返してくれる。自分のことを分かってくれている」と話し、新井も「これだけ歳が離れていたら、プロレス感も違うと思うが、彼が引っ張ってくれた。こんな年の差タッグはなかなかいないと思う」と相性の良さをアピールした。

解説を務めた天龍は「引き出しも多く、納得のできる試合だった」と満足顔。25年前にこのベルトができた時を振り返り「新日本、全日本に負けないように意地で作った」と明かした。15年の自身の引退で、天龍プロジェクトも解散。今年4月の再開とともに、ベルトも復活した。「あとは(王者の)彼らがどれだけ大きくしていくか」と今後の戦いにも期待した。

翔太は「これからも死ぬほどプロレス界にいると思うけど、本当にやってきて良かった」とかみしめた。新井は「天龍プロジェクトのタッグを引っ張っていく」と誓った。復活後最初のタッグ王者となった2人が、天龍の思いを受け継ぎ、新たな歴史を築いていく。【松熊洋介】