新王者誕生は負傷引き分けでまたお預けとなった。

日本バンタム級1位沢田京介(33=JBスポーツ)と同級2位定常育郎(23=T&T)の王座決定戦で、2回早々に偶然のバッティングで両者とも眉間をカット。ドクターチェックで両者ともに試合続行不可能と判断され、2回23秒負傷引き分けで王座は空位のままとなった。

1月に前同級王者鈴木悠介(三迫)が引退し、空位になった王座をかけた一戦だった。当初は5月23日に対戦予定だったが、コロナ禍で延期となっていた。両者ともに初のタイトル挑戦を待たされた上に、まさかの結果になった。

沢田は日大出身でB級デビューも連敗を喫した。その後は1分けをはさんで14連勝中。この間には日大で同級の田村亮一は19年に日本スーパーバンタム級王者になっていた。待望の挑戦で、1回にはきれいな右ストレートを打ち込んでダウンを奪っていた。無念さは募った。

定常は初の10回戦だったが、3階級制覇王者井上尚弥(大橋)のスパーリングパートナーも務めた。力をつけてジムから初の王者がかかった一戦だった。