初代タイガーマスクの佐山サトル(63)が、プロレスラーとしてのリング復帰に意欲を見せた。14日、自身が主宰するストロングスタイルプロレスの会見に出席。隣にいた新間寿会長(86)から突然「私が一番見たいのは初代タイガーマスクの試合ですよ。3分のエキシビションマッチでもいいから見てみたい」と言われ、苦笑い。その後「私の体はどんどんむしばまれているので、早いうちにやっていきたいと思う」と佐山らしい言葉で返した。

15年に狭心症を患い、心臓を手術してからは、歩くのがやっとの状態が続いた。徐々に体調も良くなり、最近では調子の良い時には、つえなしで歩くことも。佐山は「徐々に良くなっていると確信している。まずは病気を治して歩けるようにすること。走ることはできるが、歩くことができない」とジョークを交えながら語った。現在もトレーニングは欠かさず行っているといい「360キロのレッグプレスで鍛えている」と順調をアピールした。

初代タイガーマスクを生んだ新間氏の突然の発言に最初は戸惑ったが、リングに上がりたい思いは佐山も同じだ。「あの時代と同じ夢を見せたいが、それは無理なので、コーナーポストに登れるように頑張りたい」。新間氏はさらに、横にいたジャガー横田の方を向き「タイガーの相手をやって」とお願い。ジャガーも「いつでも」と快諾し、準備は整った。

佐山は今年4月、スーツ姿で車いすもつえも使わず、軽やかな足取りで1年半ぶりにリングに上がった。以前はたまに漏らしていた「調子が良くない」という言葉も聞かれなくなった。初代タイガーマスクの姿がリングで見られる日が近づいている。【松熊洋介】