一身に背負った期待に、エースが応えてみせた。
棚橋弘至(45)が、セミファイナルのIWGP・USヘビー級王座決定戦で石井智宏(46)を破り、同級王者に返り咲いた。
「勝利」は、前王者との約束だった。4月9日の両国大会で、同級王者をケガのために返上したSANADAから「このベルトは前チャンピオンの棚橋さんに勝ち取ってもらいたい」と逆指名を受けた。今年2月の北海道大会で29分の激闘の末に、ベルトを奪われたライバルからのエール。新日本の「100年に1人の逸材」がやる気にならないわけにはいかなかった。
対戦予定だったウィル・オスプレイ(28)は、先月28日に新型コロナ感染が発覚し欠場。急きょ代打出場となった石井は、「これが偶然か必然かと言われれば俺は必然的にこうなったと思っている」とぎらついていた。
何度張り手を見舞っても「まだだ」と前に出てくる相手。パワーだけではない。ラ・マヒストラルなど巧みな技を披露したかと思えば、掟破りの逆スリングブレイドも決められた。それでも、諦めない男、棚橋だ。掟破りの逆垂直落下式ブレーンバスターをさく裂。最後は23分20秒、ハイフライアタックからのハイフライフローで3カウントを奪い取った。
試合後は「SANADA! 約束通り、チャンピオンベルトは取り戻したからな」と叫んだ。USヘビー級3度目の戴冠を果たした棚橋。今度こそ、ベルトを携えて米国に乗り込む。

