オカダ・カズチカ(34)が内藤哲也(39)との魂の一騎打ちに勝利し、IWGP世界ヘビー級王座の4度目の防衛に成功した。

試合前のシングル対戦戦績、6勝6敗が示す通り、実力は伯仲していた。試合は30分を超えても、まったく先が読めない展開。終盤は、オカダの雪崩式パワーボム、旋回式の墓石式脳天くい打ち、内藤のデスティーノ(変形リバースDDT)、スターダストプレスなど、華麗な必殺技が飛びかう。新日本21年ぶりの福岡ドーム(ペイペイドーム)から、絶えず、どよめきが起こった。

それでも、最後までリング立っていたのは王者だった。デスティーノを狙った内藤に、延髄切りをさく裂。卍字固めの体勢から変形ツームストンパイルドライバーを見舞うと、34分12秒。とどめのレインメーカー(短距離式ラリアット)で仕留めた。

試合前日の調印式では「心の中でお互いつながってるんじゃないかと思う」とライバルを評していたオカダ。この日も、引き揚げていく内藤に対し「(今年)3回目ですけど俺はめちゃくちゃ楽しかったですよ。グラシアス!」と呼びかけ、健闘をたたえた。

この日の観客は8000人。ドーム大会の観客としては少ないものの、ファンは少しずつ会場に帰ってきている。「こうやって1歩ずつ前に進んできている」と、かみ締めたオカダ。「超満員になるように素晴らしい戦いを見せていく。また大歓声の中で戦ってパワーにしたい」と力強く宣言した。