プロボクシング元WBC世界フェザー級王者ジョニー・ファメションさん(オーストラリア)が4日、母国のメルボルンで死去した。77歳だった。同日、地元オーストラリアン紙(電子版)などが報じた。死因は明らかにされていない。

69年7月、地元シドニーでファイティング原田氏を迎え撃ち、3度のダウンを喫しながらも逃げ切り、引き分けで初防衛に成功。70年1月、敵地東京に乗り込み、原田氏と再戦して14回KO勝利を挙げ、2度目の防衛に成功していた。

フランス生まれのファメションさんは5歳の時、家族とともにオーストラリアに移住。数年後、母と弟がフランスに戻った後も父と一緒にオーストラリアで生活した。アマチュアのキャリアはないものの、20年以上のプロ人生で通算56勝5敗6分け。原田に連勝後の70年5月、3度目の防衛戦でビセンテ・サルディバル(メキシコ)に敗れて王座陥落し、25歳で現役を引退していた。

現役引退後、91年にはシドニーで自動車事故に見舞われ、10日間昏睡(こんすい)状態に陥り、後天性脳損傷、脳卒中となったものの、2年後には懸命なリハビリが実り、ほぼ健康に戻るなど後遺症を克服したという。97年には世界ボクシング殿堂入りを果たすなどオーストラリア史上最高ボクサーの1人だった。元世界3階級制覇王者ジェフ・フェネック氏(58=オーストラリア)は、ファメションさんのディフェンス能力の高さを強調し「彼はフロイド・メイウェザーが生まれる前のメイウェザーだった。パンチを打って、打たせない。彼はディフェンシブボクサーの絶対的なマスターだった」と故人をしのんでいた。