元GHCタッグ王者の丸藤正道(42)が、ノアマットに約2カ月ぶりに復帰を果たした。

セミファイナルとなった6人タッグマッチで、潮崎豪、杉浦貴と組み、小島聡、田中将斗、稲葉大樹組と対戦した。先発を買って出ると、中盤には華麗な蹴りのコンビ技を披露。田中とは逆水泳チョップとエルボーの激しい打ち合いを演じるなど、躍動した。試合は、17分56秒、味方の潮崎が稲葉から豪腕ラリアットで3カウントを奪取。復帰戦を勝利で飾り、握手を交わして笑顔も見せた。

丸藤は今年6月、出場予定だったサイバーファイトフェスティバル2022を膝のケガのために回避し、その後欠場を続けていた。旗揚げ記念日となったこの日の後楽園ホール大会で、17大会ぶりに復帰。「俺はもうベストな状態では難しいかもしれない。シングルなら勝てていなかったかもしれない。でも、8月5日というのは特別な日なんで」と、すがすがしい表情で振り返った。

リングを離れて気付くこともあった。前日記者会見で団体の現状について問われると、「盛り上がってる部分もあるし、まだまだの部分もある」と断言。「ノアのリングに立つ柱として『まだまだだな』というさみしさもある」と胸中を明かした。「旗揚げ記念日に丸藤がいなきゃどうするんだ」とも話しており、まだまだ第一線で活躍する覚悟を見せていた。

今年の6月、昨年11月にともに同級王者を獲得した武藤敬司は、来春まででの引退を発表した。「近くで見ていて武藤さんのコンディションもわかっていた。それでも戦い抜いて試合をし続けてくれたことに感謝したい」と、先輩パートナーへリスペクトを示した。コンディションが最高でなくても、ファンを魅了するプロレスはできる。ノアの天才が、方舟を加速させる。