技術で力をねじ伏せた。初代NJPW STRONG無差別級王者でG1クライマックス初出場のトム・ローラー(39)が、ここまでリーグ戦2勝2敗のバッドラック・ファレ(40)を退け、2勝2敗の勝率五分に復帰。妻の誕生日に勝利を飾り、「君がいてくれて俺は幸運だ」と米国へ感謝を届けた。

Aブロック公式戦となった第6試合。体重160キロ超の相手に、総合格闘技で培った打撃やグラウンドテクニックを披露したが、序盤は圧倒的なパワーの前に押され気味だった。だが、ひざ下へのアリッキックが効いてきたのか、相手の動きは徐々に緩慢に。そこを見逃さなかった。ローキック、ランニングニーと畳みかけ、最後は11分5秒、NKTOB(後頭部へのニーバット)をさく裂し、ついに3カウントを奪った。

初出場のG1はまさかの連敗スタートも、ここにきて状態を上げてきた。静岡大会に続く連勝で、ブロック脱落の危機を逃れた。妻の誕生日に勝利を飾り、「俺が激しい試合をする理由の1つは君なんだ。日本で手に入れられるチャンスは全て手に入れる」と、力を込めた。

次戦は10日の広島大会(広島サンプラザホール)で開幕3連勝を挙げたオカダ・カズチカと対戦する。「人は彼を超人と呼ぶが、普通の人間であることを証明する」と意気込んでいた。