プロボクシング3団体(WBAスーパー、IBF、WBO)統一ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(35=ウクライナ)が、20日(日本時間21日)、サウジアラビア・ジッダで前3団体統一王者アンソニー・ジョシュア(32=英国)との再戦し、2-1の判定勝利を収め、3本のベルトを死守した。



ウシク判定
2-1
ジョシュア


◆ラウンドVTR◆

1R

サウスポーのウシクが開始からジャブで先手。プレッシャーをかけてきたジョシュアの動きを見極めながらステップを使って距離を保った。ジョシュアのボディー攻撃を回避しながらワンツーでタイミングを取り、左ストレートをヒットさせた。(ウシク10―9)

1回、ジョシュア(右)を攻めるウシク(ロイター)
1回、ジョシュア(右)を攻めるウシク(ロイター)

2R

距離を詰めようとするジョシュアに対し、ウシクがすぐに右ジャブで封じようとした。ジョシュアの右ストレートを警戒しながら足のステップで立ち位置を変え、再び右ジャブで主導権をにぎろうとした。終盤にジョシュアの右ボディーを浴びたが、冷静に対処した。(ウシクの10―9)

ウシク(左)を攻めるジョシュア(ロイター)
ウシク(左)を攻めるジョシュア(ロイター)
ウシク(左)にボディーを打ち込むジョシュア(ロイター)
ウシク(左)にボディーを打ち込むジョシュア(ロイター)

3R

リベンジを狙うジョシュアのプレッシャーが徐々に強めになる。両者近い距離からウシクも懸命に応戦する。ジョシュアの強烈な右ストレート、右フックが直撃すると、冷静なウシクの体勢が崩れた。(ジョシュア10―9)

打ち合うジョシュア(左)とウシク(ロイター)
打ち合うジョシュア(左)とウシク(ロイター)
ジョシュア(右)を攻めるウシク(ロイター)
ジョシュア(右)を攻めるウシク(ロイター)

4R

両者が近い距離でのファイトになる。ジョシュアが強烈な右トレートを繰り出し始めると、タイミングの良い右フックを放った。対するサウスポーのウシクも右ジャブのスピードと回転を上げて対応し、左ストレートをヒットさせた。(ウシク10―9)

ウシク(左)にボディーを打ち込むジョシュア(ロイター)
ウシク(左)にボディーを打ち込むジョシュア(ロイター)

5R

身長で7センチ上のジョシュアがグイグイと前に出てきたが、右ボディーがローブローで一時的に中断。試合再開となると、お互いに様子を見る展開にとなり、ジャブの差し合いに。ジャブの精度はウシクが1枚上だった。(ウシク10―9)

一時中断し、ロープに手を掛け苦しそうな表情を見せるウシク(左)(ロイター)
一時中断し、ロープに手を掛け苦しそうな表情を見せるウシク(左)(ロイター)
打ち合うジョシュア(左)とウシク(ロイター)
打ち合うジョシュア(左)とウシク(ロイター)

6R

ジョシュアが連打で攻めた。果敢に右ストレート、連打で攻めると、左右両ボディーをヒットさせた。軽快な動きが止まらないウシクも4連打、左ボディーで攻めたものの、ジョシュアの圧力に押された。(ジョシュア10―9)

右ボディーでウシク(左)を攻めるジョシュア(ロイター)
右ボディーでウシク(左)を攻めるジョシュア(ロイター)

7R

軽快なステップで距離感を保つウシクはジョシュアに的を絞らせない。ジョシュアの右ストレートを回避し、素早い左ストレートを打ち返した。攻めあぐむのジョシュアの表情には焦りがみえてきた。(ウシク10―9)

ラウンド間にセコンドから指示を受けるウシク(ロイター)
ラウンド間にセコンドから指示を受けるウシク(ロイター)

8R

リングマットが汗で濡れており、除去作業のために開始が遅れた。ジョシュアの右ボディーストレートがヒットするが、ウシクも右ジャブ、右フックなどで対応。ジョシュアが左右ボディー連打で反撃したが、ウシクのリズムを崩すまでにはならなかった。(ウシク10―9)

マットの整備が行われる(ロイター)
マットの整備が行われる(ロイター)
クリンチするウシク(手前)とジョシュア(ロイター)
クリンチするウシク(手前)とジョシュア(ロイター)
激しく打ち合うジョシュア(左)とウシク(ロイター)
激しく打ち合うジョシュア(左)とウシク(ロイター)

9R

ジョシュアが強引に前に出て左フックで先手を取った。ウシクにボディー攻撃を続け、相手のスタミナを削ろうとした。右ストレート、左フックと距離を詰めて打ち込むとロープ際に追い込んだ。たまらずウシクもクリンチ。最後までジョシュアが攻撃的だった。(ジョシュア10―9)

ウシク(左)を攻めるジョシュア(ロイター)
ウシク(左)を攻めるジョシュア(ロイター)

10R

開始から両者ともにスピーディーに動いた。ウシクが左フック、左ボディーを打ち込むが、ジョシュアも負けじと強烈な右ストレートをヒットさせた。細かいパンチを繰り出し、手数の多いウシクにジョシュアは最後まで手を焼いた。(ウシク10―9)

ジョシュア(左)を打ち込むウシク(ロイター)
ジョシュア(左)を打ち込むウシク(ロイター)

11R

何とか局面打開を狙おうと直線的に出てきたジョシュアに対し、ウシクは両足のステップで位置を変化させて対応。強引に左フック、右ボディーを打ち込んだジョシュアに対し、ウシクは冷静に右ジャブで距離を取り、好機には左ストレートを放った。(ウシク10―9)

12R

最終ラウンド、ジョシュアが右ストレートを狙いながら前に出た。ワンツーでロープ際まで追い込んだが、ウシクのパンチの手数、軽快な動きは止まらなかった。ジョシュアのクリンチの体勢が崩れ、ロープ際にウシクを押し込んだシーンも。技術的な攻防が多いヘビー級のファイトとなった。(ジョシュア10―9)

ウシク(右)を攻めるジョシュア(ロイター)
ウシク(右)を攻めるジョシュア(ロイター)

判定

ウシクが判定2-1(113-115、115-113、116-112)

12回が終わり、健闘をたたえ合うジョシュア(手前)とウシク(ロイター)
12回が終わり、健闘をたたえ合うジョシュア(手前)とウシク(ロイター)
12回が終わり、マットに膝をついて健闘をたたえ合うジョシュア(手前)とウシク(ロイター)
12回が終わり、マットに膝をついて健闘をたたえ合うジョシュア(手前)とウシク(ロイター)
12回が終わり、ウシク(左)と話すジョシュア(ロイター)
12回が終わり、ウシク(左)と話すジョシュア(ロイター)
防衛に成功したウシクはベルトを手に天を仰ぐ(ロイター)
防衛に成功したウシクはベルトを手に天を仰ぐ(ロイター)
防衛に成功し、3本のベルトを手に喜ぶウシク(ロイター)
防衛に成功し、3本のベルトを手に喜ぶウシク(ロイター)
防衛に成功したウシクは、ウクライナ国旗を掲げる(ロイター)
防衛に成功したウシクは、ウクライナ国旗を掲げる(ロイター)
試合後、ウクライナ国旗をまとうジョシュア(ロイター)
試合後、ウクライナ国旗をまとうジョシュア(ロイター)
防衛に成功し、関係者と喜び合うウシク(ロイター)
防衛に成功し、関係者と喜び合うウシク(ロイター)

※各ラウンドの採点は本社