キックボクシング42戦無敗を誇る人気格闘家でプロボクシング転向を表明している那須川天心(24=帝拳)が9日、日本ボクシングコミッション(JBC)のB級(6回戦)のプロテストに合格した。東京・後楽園ホールで筆記試験、シャドーボクシング、3回のスパーリングに臨んだ。

スパーリングパートナーを務めた日本バンタム級1位の南出仁(27)が所属する、セレスジムの会長で日本プロボクシング協会会長も務めるセレス小林氏(49)は「あんなにスピードがあるとは、びっくりした。速いし、パンチの反応が素晴らしく、南出のパンチをまともにもらっていない。キック出身の選手はスタンスや体重の乗せ方などに癖がある選手が多いが、那須川選手は短期間でこれだけボクシングに対応してくるのだからセンスがある」と、ボクサーとしての那須川の素質と対応力に驚いた。

一方で日本プロボクシング協会の会長という立場から「キック界の無敗のスーパースターがボクシング界にきてくれたのは本当にうれしいし、ありがたい。こんな明るいニュースはない。彼は何より華がある。これからプロの戦い方に慣れてくれば、もっとパフォーマンスが上がる。世界チャンピオンになるチャンスも十分にある。ボクシング世界を背負っていく逸材になる。楽しみでしかない」と、ボクシング界のトップとして大きな期待を寄せていた。【首藤正徳】