キックボクシングで無敗を誇った“神童”那須川天心(24=帝拳)のプロボクシングデビュー戦の対戦相手、日本バンタム級4位の与那覇勇気(32=真正)が17日、神戸市内の所属ジムで取材に応じた。4月8日に有明アリーナでスーパーバンタム級6回戦に臨む。

対戦が決まったのは今月に入ってからといい、「多くのボクサーがいる中で俺を選んでくれたのは感謝している。俺とやるとなれば話は違う。俺は甘くない」と気合をみなぎらせた。

真正ジムの山下会長は「沖縄(出身者)特有のパワフルな感じ。ハードパンチャー」と評する。小学4年から中学卒業までの琉球空手が源流にある。「自分はノーガードでもいく。パンチをよけながら打つのが得意なんで」と言った。

16年から3年間現役から退きトレーナーとなった。「3敗目した時、悔しくなかった。これじゃダメだ。1度離れようと思った」。気持ちを作り直してのカムバック。そして巡ってきたビッグチャンスに「すごい感謝してます」。

那須川について「マンガみたいな技を繰り出す。トリッキーな体の使い方はボクシングでも生かされるはず。絶対のポテンシャルはあると思うけど、自分の動きにはめていきたい」とすでに対策を練っている。人生最大級の注目を浴びるリング。アッと驚かせる準備を進める。【実藤健一】

◆与那覇勇気(よなは・ゆうき)1990年(平2)12月31日、那覇市生まれ。小学4年から中学卒業まで空手。中学3年は部活動で柔道。沖縄尚学高でボクシングを始め、08年度選抜大会バンタム級で優勝。東洋大に進学し国体3位の実績を残し、真正ジムに入門。13年5月プロデビュー。戦績は12勝(8KO)4敗1分け。169センチの右ファイター。家族は夫人と2女。