日本バンタム級タイトルマッチ10回戦が行われ、同級王者堤聖也(27=角海老宝石)が2度目防衛に成功した。同級1位南出仁(27=セレス)の挑戦を受け、7回1分41秒、レフェリーストップによるTKO勝利を収めた。

サウスポーの南出に対し、左右にスイッチできる堤はサウスポーを軸に戦い、1、2回と右フックでダウンを奪取。3回には相打ちの左からの連打で挑戦者を攻め立て、5回には再び右フックでダウンを追加した。途中採点でジャッジ3人が50-42と大量リードで後半に入ると、反撃に出てきた挑戦者にラッシュをかけて7回、レフェリーストップ勝ちに追い込んだ。

アマチュア時代から知り合いの同級生の関係にある南田を下した堤は「(ダウン奪取は)染み込んだ動きが出て(南出が)倒れていた。日頃の練習が出たと思うダウンを取っていなかったら、どちらがポイントを取っているかとセコンドに聞いていた。怖かったですね」と慎重に戦っていたと自己分析。快勝劇にも「ダウンを取ったからそういう流れになった。少しポイントを取られても僕のペースになればいいと思った。強い選手でリスペクトしていたので、こういう結果は少し自信になります」と声をはずませた。

現時点の自身の実力について「まだまだ伸びる。できないことの方が多い。まだまだ強くなりたい」と強調。バンタム級世界戦線は前4団体統一同級王者井上尚弥(大橋)が返上し、すべて空位になっている。まず4月8日、元WBC世界同級暫定王者の井上拓真がリボリオ・ソリス(ベネズエラ)とのWBA世界同級王座決定戦に臨む。

堤は「バンタム級は新しい世界になる。4月8日の井上拓真選手の世界戦が次の時代の第一歩目。ボクは拓真選手に高校時代、土をつけられているし、それがプロのきっかけでもある。ゆくゆく挑戦できるようにしたい。まだ拓真選手は眼中にないと思いますが、入れるように頑張ります」と世界を視野に入れて王座を守り抜く姿勢だった。