プロボクシング元IBF世界スーパーフェザー級王者の尾川堅一(35=帝拳)が、豪快なKOで約10カ月ぶりの再起戦を飾った。

1日、東京・後楽園ホールでの10回戦(60・0キロ契約)でクライ・セッタポン(36=タイ)から5回に右強打で3度のダウンを奪いTKO勝ちした。

5回1分50秒すぎに右ストレートをボディーに決めて最初のダウンを奪うと、右ストレートで2度のダウンを追加。そのままレフェリーが試合を止めた。昨年6月の初防衛戦で挑戦者のジョー・コルディナ(英国)に2回KO負けを喫した後、長年痛みのあった右肩を手術。その再生した右で試合を終わらせて、完全復活をアピールした。

痛みの消えた右パンチが初回は大振りになってバランスを崩す場面もあったが、タイミングをつかんだ3回からボディーや顔面に次々とヒットした。「久々のリングで緊張したけど、右は完璧。最後に倒したパンチは最高でした。右に痛みがないと続くパンチもすぐに打てるのは大きい」と表情が緩んだ。

国内リングは20年10月以来、約2年6カ月ぶり。大歓声に「やっぱり後楽園ホールはいいですね。できれば世界チャンピオンとして試合をしたかった」。もちろんその夢をまだあきらめていない。「もっと成長できる自信がある。35歳なので今年が勝負」。今度こそ世界王者のベルトを巻いて、日本のリングに立つつもりだ。【首藤正徳】