10月1日は「燃える闘魂」アントニオ猪木(本名・猪木寛至)さんが79歳で死去してから一周忌の命日となった。6日から全国上映される映画「アントニオ猪木をさがして」の一周忌先行上映が1日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、映画に出演する新日本プロレスのオカダ・カズチカ、棚橋弘至、海野翔太が舞台あいさつで登壇した。

猪木さんとの思い出を問われたオカダは対談した時の様子を明かし「最後に『猪木さんを超えたいと思います』と言ったのですが、猪木さんは『どうぞ超えてください』と。そんな軽いんだと。やれるものならやってみろではなのかもしれないですし、気持ちを持てということかもしれない。そんな軽く言われるのだと。それが忘れられないです」としみじみと口にした。

3選手の中で1番、接点がある棚橋は「自分のデビュー前後でビッグマッチの控室であいさつしたのが初めてで。最初に『お疲れさまです』と言ったら、笑いながら猪木さんが『疲れてねえよ』と言われた。猪木、カッケーや。疲れないことが格好いいと受け取ってしまった」と振り返る。時が経過し、12年の東京ドーム大会でオカダから「棚橋さん、お疲れさまでした。あなたの時代は終わりです」と言われた後に自身が「疲れてねえよと。猪木イズムなんですよ」と言った真意を明かした。

また棚橋は07年に新日本道場内に掲げられていた猪木さん特大パネルを外し“脱猪木”を宣言したが、最近になって道場にパネルを再び設置した経緯も解説。「あの時は猪木さんとの関係性が薄かった時期。外した人間が何を言っているんだ、なのですが、亡くなられたタイミングで、海野のように猪木さんを知らない世代が入門し、戦いが進んでいく中で見守って欲しいなと思いましたね」と口にした。

猪木さんパネルの復活を受け、オカダは「パネルがあって、ああ猪木さんだと思った。しっかり気を引き締めて練習しなきゃダメだなという気持ちになりました」と言えば海野は「常に見られているような。パネルがデカイので緊張感を自然と生まれますね」と歓迎した。猪木さんの現役時代を知らない世代となるものの、海野は「猪木さんの言葉はどれも印象深い。言葉の強さがある。僕が印象に残ったのは『馬鹿になれ』です。たくさん恥をかいて初めて大きくなれるのではないか。猪木さんの言葉を通じて印象が強かったですね」と新世代にも猪木イズムが継承されている様子だった。