3月20日「K-1ワールドMAX」(代々木第1体育館)のスーパーファイト(スーパーライト級3分3R延長1R)で鈴木勇人(34=K-1ジム五反田チームキングス)と対戦する卜部功也(33=ALONZA ABLAZE)が、決戦へ向けてK-1のインタビューに応じた。

21年7月大沢文也戦以来、約2年8カ月ぶりに復帰する元K-1ワールドGP世界2階級制覇王者の卜部は、新生K-1を支え続け、選手育成の立場から見えてきたことを語った。

-復帰を決めた理由は? 

卜部 前回の試合を終えて、62・5キロではキツイと感じていて。それからジムを設立して3戦したんですけど、その体重では無理だろうと思っていました。あとは次世代の選手たちの育成がありましたので、一旦、自分のことを考えるのは止めようと思っていました。

-そこから環境が変わってきたと

卜部 はい。うちの松谷綺(きら、Krush女子アトム級王者)がチャンピオンになったこともあります。ようやく、うちのジムでチャンピオンを育てられたという背景と、選手が自分たちで考えて行動してくれるようになったことが大きかったですね。

-自分のことも考える余裕ができた

卜部 所属選手を勝たせて、なおかつ自分も勝つという責任が増えましたが、新しいチャレンジだと思っています。実は今回の前にも、何回か試合オファーはあったんですけど、なかなかタイミングが合わなかったんです。でも、待っていたらダメだと気づきました。自分からアクションを起こさないと何も変わらないと思い、自分からアプローチをかけました。

-出場を直訴した

卜部 はい。うちの選手にとっても、自分が出ることでいい刺激になると思いましたし、結局ファイターは誰が一番強いのかということ。それを証明したいと思っています。

-K-1甲子園草創期の立ち上げメンバーでもあり、低迷していたK-1を大きくしてきた功労者の一人でもある。その思いは

卜部 旧K-1を経験しているメンバーは、僕と数名くらいだと思います。一度、K-1がなくなった時期もありましたが、僕は昔からK-1がナンバーワンという自負がありますし、今でもそう思っています。対抗戦とかありますが、K-1の選手たちは、それを誇りに思って戦ってほしいですね。あっちがいい、こっちがいいとか振り回されていたらK-1のためにならないし、もう1回、俺たちでK-1を創り上げるという強い思いを持ってほしいです。

-新生K-1を支えてきた当時の熱量は、なぜ高まっていた?

卜部 あの時、K-1がなくなって地上波放送もなくて。Krushだけだったんですけど、10年も続かないと言われていました。僕が20歳、武尊も19歳くらいの時に「どうする?」と話していて、もう一回、後楽園ホールを満員にしないとダメだと。そうしないと日が当たらない格闘技人生を送っていくことになると思っていました。熱を高めて戦うという共通の思いがあって、みんな戦っていました。

-倒し倒されという覚悟か?

卜部 それは、もちろんありました。いいパフォーマンスを出して戦うことと、あとは会場を満員にする意識が強かったですね。敵は対戦相手だけではなく、出場選手全員です。記憶に残らなければ負けだと思って戦っていました。何か一つでも爪痕を残すことを意識していました。

-昔のK-1マックスのブームを取り戻せるか

卜部 もう1回、あの時の熱を戻したいですね。それができる選手が今のK-1にも揃っていると思っています。

-次世代へバトンをつなぎたいと

卜部 うちのジムの10代の選手を集めて、そういう話はします。間違いなく、2、3年後には彼らが中心になっているはずなので。自分もラストスパートなので、3階級を目指してやってやるという気持ちです。

-ベテランならではの静かな闘志

卜部 落ち着いちゃダメですね。ナメんじゃねえよと。常に、やってやるという気持ちでいます。ベテランになってくると、「(対戦相手に)この選手はどうですか?」というオファーが来るものですが、選ぶのはやめよう、誰でもやってやると切り替えました。

-その理由は?

卜部 選んでいたら強くなれないからです。今は、こういう選手とやりたいとか自分からアクションを起こしていくことが目につきますが、その裏では断っていたり、相手を選ぶファイターが多いようです。でも、それだと強くなれない。一回、そういうマインドをリセットしないとダメだなと思いました。トラッシュトークとか、認知されたらいいみたいな風潮がありますけど、本当に強いファイターは「いつ何時、誰の挑戦でも受ける」みたいな気持ちがあります。そうでなければいけないと思いました。

-まずは自分から、そういう背中を見せたいと

卜部 誰でもやってやるという気持ちがあれば、常に挑戦者でいられるので、自分には合っています。

-そんな中、鈴木勇人は復帰戦の相手としてはかなりの強豪だが

卜部 ずっと勝っている選手で、65キロでは次期挑戦者というナンバー2の立ち位置にいます。復帰初戦の相手としてはハードですけど、勢いでやってやろうと思っています。熱いファイトする選手なので、簡単な試合にならないという覚悟を持っています。色気のある、互いに落としたくない、ヒリヒリするような試合になると思います。

-最後に今後の目標は?

卜部 65キロのベルトを獲って、3階級制覇を成し遂げたいですね。2年8カ月ぶりの試合、卜部はどうなのか? という意見もあるかもしれませんが、しっかり仕上げて勝ちたいと思います」。