ボクシングWBO世界フライ級2位の加納陸(26=大成)が11日、兵庫県三田市の所属ジムで練習を公開した。加納は20日に東京・両国国技館で同級3位アンソニー・オラスクアガ(25=米国)との王座決定戦に臨む。16年8月にWBO世界ミニマム級王座決定戦で高山勝成に負傷判定負け以来の世界挑戦となる。

9年越しの夢が目前に迫っても加納に気負いはなかった。「大きなけがもなく内容の濃い練習をこなせた。試合が楽しみ。自信があります」。8年前、13戦目で世界に挑んだ18歳はただ無我夢中だった。そこから重ねた酸いも甘いもの経験。丸元大成会長(48)は「しんどい試合をこなして心が成長した」と言った。

オラスクアガはWBAスーパー、WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗に負けはしたが、あと1歩まで追い詰めた強豪だ。加納は何度も映像を見直し「強い相手」と認める。その上で約120ラウンドのスパーリングを積み重ねて備えてきた。「とにかく勝ちにこだわる。ベルトを強引にでも取りにいく試合をしたい」と宣言した。

「オラスクアガとは同じスタイル。序盤からかみ合うと思っている。試合が終わるまで気持ちを切らさずベルトを取りたい」

丸元会長が積極的に動き、ようやく実現にこぎ着けた世界戦だ。「この8年、早かったような長かったような。1戦1戦に思いがある試合をこなしてきて、濃かった(年月)と思います。応援してくれている三田に必ずベルトを持ち帰りたい」。兵庫県の山あいの町に初めての歓喜を届ける。【実藤健一】

◆加納陸(かのう・りく) 1997年(平9)11月16日、兵庫県川西市生まれ。小学4年からボクシングを始め、16歳の13年12月にフィリピンでプロデビュー。16年5月に東洋太平洋ミニマム級暫定王座獲得も同年8月、WBO世界ミニマム級王座決定戦で高山に負傷判定負け。20年11月、WBOアジアパシフィック・ライトフライ級王者、22年9月に同フライ級王者。身長162センチの左ボクサーファイター。