「横浜のタイソン」と呼ばれるアマ5冠で日本ウエルター級14位の田中空(23=大橋)がプロデビュー3連勝を飾った。アドール・トーレス(30=フィリピン)との同級8回戦に臨み、4回1分53秒、TKO勝ち。左ボディー、左フックの強打で攻め込むと、4回にはコーナーに追い込んでラッシュ。レフェリーストップで試合終了直後、トーレスが倒れ込むほどのダメージだった。
田中は「相手の試合動画みていて、打たれ強いのは分かっていた。ディフェンスもブロックもうまくて自分のペースで打たせてもらえなかった。やりずらかった。うまく崩せて良かった」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。我慢強いトーレスの心を折った連打で倒し切り「力みすぎているとお父さん(トレーナーの強士氏)に言われ、手数でいこうと。それがうまくいきました」と振り返った。
デビューから3連続KO勝ち。田中は「誰とやりたいかとかは今はない。(大橋秀行)会長に組んでもらった試合に勝ち、しっかりとランキングを上げ、実績をつくりたい」と言葉に力を込めた。
同じウエルター級では東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック統一王者佐々木尽(八王子中屋)がWBA、WBC、IBFで4位、WBOで2位と世界挑戦が間近に迫っている。田中は「同じ年齢で同じ階級でウエルター級のトップを走っている。自分も追いつきたい。早く追いつけるように頑張りたい。会長に決めてもらった試合を頑張ってそこまでいきたい」と決意を新たにしていた。
田中は3歳から指導を受ける元プロボクサーの父強士さんと二人三脚で成長を続け、アマ戦績58勝(39RSC)8敗とレフェリーストップ勝ち(TKO勝ち)が多い「倒し屋」だ。165センチと軽量級の身長となるものの、世界的にも選手層の厚いウエルター級が主戦場となる。通常体重は72~73キロで骨太、胸板が厚いガッチリ体形だ。
身長180センチながら大型選手を次々と撃破していった元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)の試合動画を参考にボクシングスタイルを確立。大橋会長も「横浜のタイソンと言われてきた。タイソンと同じく、小さい体で倒すということを実現していってもらいたい。確かにウエルター級では小柄だが、小柄なことが武器になっている」と期待を寄せている。
◆田中空(たなか・そら)2001年(平13)6月1日、川崎市生まれ。3歳の時、元プロボクサーの父強士さんの勧めでボクシングを開始。幼稚園から大橋ジムでもスパーリングを経験。武相高から東洋大へ進学。17年に高校選抜、アジアジュニア選手権、19年に高校選抜優勝。22年に国体、23年に全日本選手権を制覇。家族は両親と妹。身長165センチの右ファイター。

