プロボクシング統括機関となる日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長は1日、事故検証委員会からの中間報告を受けた対応策を明かした。8月2日、東京・後楽園ホールで行われた同一興行で2選手がリング事故で死去したことを受け、8月19日に設置された同委員会から20日に中間報告書が提出されていた。同日に一部概略が公表され、JBCとして「管理者としての責務を十分果たせてこれなかったことを猛省し、今度一層真摯(しんし)に向きあい、事故再発防衛策の策定、実施を行っていく」としした。
JBC安河内本部事務局長が明かした検討中(実施済みもあり)の対応策は主な9点となる。
(1)搬送方法と手順の見直し=救急救命士の指導のもと、レクチャーを受けて搬送のデモンストレーションを実施中。後楽園ホールなど施設管理者と協働し、迅速な搬送経路と救急体制を構築することを検討。
(2)後方支援体制の拡充=後楽園ホール近郊の救急病院との引き受け体制、バックアップ体制の構築を進めている。
(3)他組織との連携=世界主要団体の1つとなるWBC、アマチュアを統括する日本ボクシング連盟などとの情報共有、他団体や組織の持つ情報&知識を活用できるよう計画進行中。
(4)医事講習会、トレーナー講習会の実施=10月12日に大阪で開催予定。安河内本部事務局長は「これを皮切りに今後、全国各地で開催していく」とした。
(5)過度な減量、危険な水抜きの禁止策=当日計量の数値(%)により階級変更を義務づける計画で、安河内本部事務局長は「これは日本プロボクシング協会との話し合いで折り合いをつけたい」と説明した。
(6)JBC健康管理委員会の抜本的な再編=同委員会をより安全対策に実効的な組織として再編することを検討している。
(7)救急救命士の活用=試合会場に救命士1人の常駐を準備している。安河内本部事務局長は「既にリング事故後から後楽園ホール開催の3分の2の大会で救命士を1人配備している。とても判断は早く、的確。かなりの安心感がある。11月ぐらいから常駐を検討したい」と口にした。
(8)精密検査のルール変更=プロテスト時のCT検査をMRI検査に変更。またA級(8回戦以上)選手へのMRI検査を義務付ける。安河内本部事務局長は「CTよりもMRIの方が前のデータと比較し活用できるため。A級選手には1度検査を受けてもらい、その後は2年ごとにと考えている」。
(9)データ収集と活用=奈良県立医科大臨床研究センターと協働し、安全対策策定に必要な科学的な根拠を提供する目的で臨床研究がスタートしている。

