日本相撲協会は29日、愛知・IGアリーナで大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、東幕下筆頭丹治(20=荒汐)の新十両昇進を決めた。新十両の座をつかんだ20歳は、名古屋市の部屋宿舎で会見に臨み、同席した師匠の荒汐親方(元幕内蒼国来)とともに、関取としての第一歩を語った。
昇進決定を受けた率直な思いを問われると、言葉は飾らなかった。「やっぱり、うれしいと一番最初に思いましたね」。多くの報道陣に囲まれ、「これが関取なのかなと思います」と少しずつ実感をかみしめた。
名古屋場所は東幕下筆頭。勝ち越せば新十両が大きく近づく番付だった。場所前から「今場所絶対に上がってやる」という思いは強かったという。
ただ、3勝1敗と白星が先行すると、昇進への意識も少しずつ大きくなる。「そこから相撲が硬くなってしまって」。足りなかったのは「足が出ていなかったです」と振り返る。
最後の一番を前に、師匠からは「稽古場でやっていることだけを集中してやれ」と声をかけられた。「我に返ったというか、自分の相撲だけ取ろうという気になれた」。その言葉が4勝目につながった。
早くから幕下に上がった分、壁もあった。「体重が増えづらくなってきたり、番付が上がりにくくなってきたりした時は、どうしたらいいんだろうと思う時期でした」。
それでも昨年ごろから体が大きくなり、145キロを超えて当たり負けしなくなった。「今こうして関取に上がれて、我慢して良かったなと思います」。
故郷は福島。お盆休みには帰郷する予定で、「応援してくれている方々がたくさんいるので、顔を出したい」と話した。秋場所も本名の丹治で関取として臨む。「丹治自体が福島市の名字なので、福島の皆さんに応援していただけるような力士になりたい」。
新十両は通過点で「心技体を鍛えて、最終的には強い力士になりたいです」。福島の期待も背に、関取の土俵へ向かう。
◆丹治純(たんじ・じゅん)本名同じ。2006年(平18)6月5日、福島市生まれ。荒汐部屋。父は日本人、母はロシア人。中学卒業後に角界入りし、22年春場所初土俵。23年名古屋場所新幕下。26年名古屋場所で自己最高位の東幕下筆頭に上がり、4勝3敗と勝ち越した。得意は右四つ、寄り。通算109勝68敗5休。185センチ、144キロ。

