東洋太平洋スーパーフェザー級王者波田大和(29=帝拳)が3度目の防衛に成功した。
同級6位キム・テソン(29=韓国)の挑戦を受け、5回2分47秒、TKO勝利。波田は「率直に、本当にいろいろな人にありがとうございますという一言です。いっぱいしゃべりたかったけれど、目元に熱いものが流れそうなので…。ちょっと進化したところをみてもらいたかった」と涙をこらえた。
韓国同級王者でもあるキムの右強打を警戒しながら距離を詰め、左ストレートをねじ込んだ。3回にはコーナーに追い込んで10連打、4回にも連打の嵐で勢いづいた。7回、左ボディーからの左ストレートでダウンを先制。立ち上がったキムを右フックで倒してTKO撃破につなげた。波田は「早く前にいけという感じだけど、冷静になって無理に仕留めにいかないところもできた。最後はいきすぎず、決めようと思った」と振り返った。
昨年8月、ドローでV2防衛して以来のリングだった。その時の挑戦者、神足茂利さんは試合後、急性硬膜下血腫のために亡くなった。リングサイドには神足さんの兄昌冶氏(松田ジムトレーナー)も応援に駆けつけていた。勝利後、昌治氏にも勝利のあいさつを行った。入場時には神足さんのロゴ入りTシャツを着用してV3戦に臨んでいた波田は「お兄さんがいることは分かっていたので」と何度もうなずいた。
伯父で大相撲の元小結旭道山、場所中ながらも行司の木村寿之介こと父寿和さんをはじめ、約400人の応援団から会場に集結。大きな拍手と歓声を浴びた。「正直、辞めようと思いましたけど」とも口にした波田だが、周囲の温かい言葉に支えられたと強調。波田は「(所属ジムの本田明彦)会長から『辞めてもいいんだぞ』とやさしい言葉もいただいていたが、周りの方々が熱くて…。乗り越えたというよりも、乗り越えさせてもらった」と感謝の言葉を口にしていた。【藤中栄二】

