再入幕の東前頭9枚目の千代の国(26=九重)と、西前頭6枚目の遠藤(25=追手風)。同い年の2人の気迫が、ぶつかり合った。

 最初に攻めたのは初日から6連敗中の遠藤。突っ張り合いから左四つとなり、一気に寄った。万全の体勢にも見えた。だが、粘る千代の国は懸命に右に回りながら、強引に上手投げを打つ。これを右足1本でこらえる遠藤。死力を尽くした攻防に、場内が沸いた。

 その瞬間、再び投げに出た千代の国。遠藤も下手投げを見舞う。互いに手はつかず、顔から落ちた。わずかの差で、落ちるのは遠藤の方が早かった。

 10本の懸賞を手にした千代の国は「同体かと思ったけど、良かったです。必死だった。懸賞がいっぱい懸かって、よっしゃと思った。3本以上が懸かった一番で、勝ったことがなかったので、力を出し切れました」と喜んだ。その上で遠藤について「あれで(今場所)1回も勝っていないなんて、すごいな。超強いじゃないですか」と驚嘆。その遠藤は顔から落ちたことについて「とっさです」と言い「負けは負けなので。明日頑張ります」とだけ話した。