大相撲で横綱日馬富士が平幕貴ノ岩に暴力を振るってけがを負わせた問題で、現場の酒席に参加していた横綱白鵬は16日、福岡国際センターで行われた九州場所5日目の取組後、暴行のあった翌日の巡業で両者が握手を交わし、「悪かったね」とお互いに謝罪していたと明かした。鳥取県警に被害届を出した貴ノ岩側は詳細を明らかにしておらず、混迷が深まった。

 関係者によると、暴行は10月25日夜から26日未明にかけて、鳥取市内で起きた。日馬富士に生活態度を注意されていた貴ノ岩がスマートフォンを操作した際、横綱が激怒したという。

 白鵬は「自分もそこで同席していた。皆さんに申し訳ないという気持ちでいっぱい」と、16日午前に続いて謝罪。さらに、日馬富士が素手で殴ったことをあらためて認めた上で、ビール瓶での殴打などを否定した。だがビール瓶での暴行は複数の関係者が証言している。

 関係者によると、貴ノ岩関は暴行を受けた当初、師匠の貴乃花親方(元横綱)に「転んだ」と報告していたことが15日までに判明。同親方は10月29日に被害届を出しながら、11月3日に鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)からの電話での聞き取りには「よく分からない」と返答するなど、不可解な点もある。