大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が引退を決意したことが28日、分かった。

 平幕貴ノ岩(27=貴乃花)への暴行が発覚してから約2週間、鳥取県警や日本相撲協会の危機管理委員会による調査は継続中だが、事態が解明されるより先に日馬富士が身を引く覚悟を決めた。

 過去の横綱トラブル・廃業は次のとおり。

 ◆前田山 49年、大阪場所を休場して野球観戦。相撲協会が引退勧告を出して現役を退いた。

 ◆大鵬 65年5月、横綱柏戸や前頭3枚目(当時の)北の富士らとともに拳銃を巡業先の米国から密輸入していた事が発覚し、書類送検されたが、相撲協会の処分はけん責処分にとどまった。

 ◆輪島 81年に引退し、花籠部屋を継承。しかし85年に花籠名跡を担保に借金したことで、日本相撲協会から廃業の裁定を下され、相撲界から追放された。

 ◆双羽黒 87年12月、ちゃんこの味付けをめぐり、師匠の立浪親方とのいさかいから部屋を飛び出した上、後援者やおかみまで巻き込む騒動を起こした双羽黒に対し、立浪親方は日本相撲協会に「廃業届」を提出した。

 ◆朝青龍 10年初場所中に都内で泥酔して知人男性に暴行。示談になったが、相撲協会は2月4日に理事会を開き処分を協議。緊急に朝青龍を呼び出して事情聴取したあと、解雇も辞さない構えで引退を勧告した。現役続行を望んでいた朝青龍だが、最悪の事態を避けるため、しぶしぶ勧告を受け入れて引退を表明した。品格を問われ続けた「お騒がせ横綱」が角界を去ることになった。