元横綱日馬富士関の暴行問題で、日本相撲協会は被害に遭った平幕貴ノ岩サイドに、危機管理委による事情聴取の協力を要請しているが、12日は返答がなかった。八角理事長(元横綱北勝海)が、都内の協会で業務を終えて引き揚げる際に「今のところ協力するというの(連絡)は、もらっていません」と明かした。

 秋巡業中の10月25日夜に鳥取市内で行われた酒席で起きた暴行は、前日11日に鳥取県警が傷害容疑で元日馬富士関を書類送検し、1つの区切りを迎えた。これまで貴ノ岩は、協会の危機管理委の事情聴取に応じていなかったが、師匠の貴乃花親方(元横綱)からは、捜査終了後に協力するとの回答を得ていた。すでに前日中に、危機管理委の鏡山部長(元関脇多賀竜)が貴乃花部屋を訪れ、あらためて事情聴取への協力を要請していた。だがこの日、協会執行部が引き揚げるまでの“業務時間内”に、貴乃花親方、貴ノ岩から何も連絡がなかったという。

 鏡山部長は「なかなか先が見えない」と話した。当初は20日の横綱審議委員会と臨時理事会で行う予定だった危機管理委による最終報告が、延期となる可能性があることをほのめかしていた。