元大関で西十両5枚目の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が、昨年9月12日の秋場所3日目以来、ちょうど半年ぶりに白星を挙げた。

 立ち合いで左に回り込むと、198キロの臥牙丸を左から上手投げで破った。昨年7月の名古屋場所から4場所連続で途中休場していただけに開口一番「9月に勝ってたんか。5月から勝ってないと思っていた」と話し、周囲を笑わせた。それでも「長かったか?」と質問されると、しばらくかみしめてから「はい」。続けて「うれしいですよ。でもこれからなので」と、少し照れてほほ笑んだ。

 前回白星を挙げた時は大関だったが、左膝の故障と糖尿病で一気に番付を落とした。大関から十両への陥落は昭和以降では大受、雅山、把瑠都に次いで4人目となった。半年間、無理して土俵に上がり14連敗(不戦敗は除く)。その間、3度の不戦敗と26日の休場も数えた。「けがしてから筋肉が落ちた。その筋肉を戻すために稽古するしかない」。初心に帰り再起を目指す。