先場所優勝の関脇栃ノ心(30=春日野)が小結逸ノ城を下し、10勝5敗で場所を終えた。一時はつられ、両足が浮く場面もあったが、こらえ、自慢の右四つで215キロの巨体を寄り切った。「うわ~、負けた~と思ったよ」と笑いながら「先に攻めたら疲れるから、先に攻めさせて疲れさせようと思った」と、力勝負の一番を振り返った。

 先場所は西前頭3枚目だったものの14勝。今場所は初日直前の左足付け根外側の負傷を押し、関脇で10勝。2場所連続の2ケタ白星合計24勝だ。大関とりになりそうな来場所は昇進目安「三役で直近3場所で33勝以上」をクリアすべく、3場所連続2ケタ白星を目指す戦いになる。

 栃ノ心は「まずケガを治して、けいこでやり直すところがいっぱいある」と、大関という言葉を使わず意欲を口にした。夏場所を「大事な場所」と認め、チャレンジしていく。